トランスジェンダーの人たちに関するオリンピックの課題【LGBTとスポーツ】

男性ホルモンの分泌を抑制するだけでは不公平であるという指摘

戸籍上は男性でも心は女性という選手に関して、男性ホルモンの分泌を抑制することを条件に女性選手として出場できるガイドラインがありますが、これに関してはそれだけでは不十分であるという指摘があります。
つまり、そういった措置を行ったとしても、戸籍上が女性の選手と比較すると不公平だと言うのです。

分かりやすく言えば、生物学上は男性である以上身体的特徴は男性そのものであり、これまで成長する過程で男性としての特徴を持ったまま成長してきたのだから、女性として成長してきた選手とは明らかに身体能力が違うというものです。
男性ホルモンの分泌を抑制しても、身体能力の差は生まれてしまっており、その差は不公平と言えるレベルであるという指摘なのでしょう。

トランスジェンダーではない女性選手からの不満なども予測されるので、この問題をどうやって解消するか?という課題は残ります。

LGBTの選手らが楽しく出場できる場を作ることが課題

こういった問題点が残ったまま、LGBTの人たち、特にトランスジェンダーの選手の出場を認め続けても、他の選手の目などを気にしないといけない状況が生まれる可能性があります。
したがって、LGBTの人たちにとって楽しく参加できるオリンピックを考えないといけません。

参加を単に認めるだけではなく、そういった層ではない人たちも納得できる環境を作る、ルールを整備するということが必要でしょう。
なかなか難しい問題ではありますが、これはLGBTではない、トランスジェンダーではない人たちの利害にもかかわるため、そういった人たちも交えて議論をすることが大切だと思います。

参加者や見ている人たちにとっての理想的なオリンピックというのを目指していってほしいと思うのです。