誰もが自分らしく生きられる社会に

LGBTが日々、困難に感じていること

性的少数者に対する社会の差別や偏見により、日常生活において様々な困難を感じながら生きている方々が沢山います。
差別や偏見は、家庭内、学校や教育現場、職場、公共サービスや社会保障、医療など、様々な現場に存在しており、当事者でなければ気づかないものも沢山あります。
以下、性的少数者が困難を感じる例を挙げさせていただきます。(※LGBT法連合会作成「LGBTの困難の事例リスト第3版」参照)

① 教育現場における事例
・学校で「男or女のくせに」「ホモ」「おかま」「レズ」などと侮蔑的な言葉を投げかけられ、自尊感情が深く傷つけられた。
・教員が、性的指向について「おかしいもの」として話し、「うちの学校にはいない」と存在しないものと扱われた。
・自分の性的指向を教員に相談したところ「気のせいだ」として、話を聞いてくれなかった。

② 就労に関する事例
・就職活動の面接の際、結婚などの話題から、性的指向や性自認をカミングアウトしたところ、面接を打ち切られてしまった。
・職場での昇進・昇格に結婚要件があった。同性パートナーがいたにもかかわらず、同性では結婚が認められていないので、昇進・昇格できなかった。

③ 医療に関する事例
・認知症や意識不明状態のパートナーが入院したが、家族とは見なされず、病院から安否情報や治療内容の説明を受けることができず、面会もさせてもらえなかった。
・医療機関の受付で、戸籍上の名前で呼ばれるため、周囲の目が気になり、受診しづらくなった。

④ 公共サービスや社会保障における事例
・公共施設のトイレが男女分けになっており、身体の性のトイレに入ることがつらい。
・高齢者の介護施設では、男女分けで施設運営されており、トランスジェンダー本人が意向を伝えても、考慮してもらえず、大きな精神的負担を感じながら過ごした。
・公営住宅への入居を申し込もうとしたが、同性のパートナー同士では、同居親族に当たらないと言われ、入居を拒否された。
・災害時に避難所で配布される支援物資が、性別ごとに配布されたため、性自認にもとづく性別の肌着や衣服を入手できなかった。
・長期にわたる避難所生活で、他人に性的指向を暴露され、周囲から偏見の目でみられた他、嫌がらせ行為を受けたため、避難所を離れざるを得なかった。

これらは、困難事例のほんの一部です。

また、当事者でなければ「差別や偏見」と気づかないようなことも多々あります。
パートナーが異性であることを前提に会話をされてしまうことなど、一見何気ない会話に見えることでも、当事者にとっては生きづらさを感じることもあります。