ゲイはこう見た!ゲイによるゲイドラマ批評~テレビの中のLGBT~

「きのう何食べた?」「隣の家族は青く見える」…ドラマの中の「身近な」ゲイカップルたち

ちょうど「おっさんずラブ」と前後して、ゲイを「当たり前」なものとしてフラットな目線で捉えるドラマは増えていました。

「きのう何食べた?」というドラマではゲイのカップルが主人公ですし、「隣の家族は青く見える」はいくつかあるパートナーの形として男女のカップルと並列する形でゲイカップルを取り上げていました。
どちらもシリーズを通して「普遍的な形」としてのゲイカップルを描き、かつドラマとしても見ごたえのある良作だったと記憶しています。
ここでも、LGBTやゲイカップルというものを、どこにでも存在しうる「身近な」ものとしてテレビの中で描くことで、世間のいびつなゲイ認識に一石を投じてくれています。

そしてこれはあくまで主観なのですが、「ゲイだから」どうこう(「変わってる」「普通じゃない」「アンタッチャブル」etc…)といった紋切り型の「アンチゲイ」な感覚というのは、時代の影響もあってか若者よりも年配の方たちの間に未だ根強く残っているように感じられるのです。
ホームドラマの形をとった先の2作品を見ていて勝手に思ったのは、「当たり前にゲイカップルが存在する世界」を描くことで、これを見た人たちがゲイがいる世界を追体験して、「ああそうか当たり前にいるんだ」と思ってくれたら嬉しいな、ということでした(いや、実状は、「ゲイのいる世界」はフィクションなんかじゃなく「今ここ」がまさにそうなのですが、ともあれ)。

ドラマを見た人たちに少しでも「ゲイだって普通」「ゲイなだけで他はおんなじ」ということを「理解するのは難しい」にしても、「知らなかったなら知って」ほしいと思います。
自然にゲイが存在する世界を描くこれらのドラマは「この世界は実はそうなんだよ」ということを、それを知らないでいる層の人たちに我がごととして感じてもらう格好のツールになり得るなと感じたのです。

まとめ…ゲイとドラマ、テレビの中のゲイ

今回挙げた3作品は、どれもゲイにとって(というか私にとって)好意的な作品です。
そして3作に共通するものとして、「ゲイは当たり前にいるものだ」という作中の視点があります。
ラブ・ストーリーでもホームドラマでも、そのフィクションの世界で生きるゲイたちの姿を少しでも多くの人たちに日常的なものだと感じてもらいたいのです。
…もちろん、華やかな非日常のエンターテインメントの世界で活躍をしているLGBTの方たちだっています。ただそれはそれとして、毎日を平々凡々と暮らすゲイはあなたの隣に「身近に」いるんだということを、こんな風にいちいち言うまでもなく誰もが知っている世界を、フィクションではなく現実に、体験してみたいと思ったりするのです。好意的な

ゲイのことを「わかってるなあ」と思える良作ドラマを見ていると、私はそんな自分勝手な妄想がいつか現実になる日もくるのかも、と思えてちょっとだけほっこりしてしまえるのです。