【メディアの役割】NHKが伝えるトランスジェンダーについて

概要

近年、LGBTやトランスジェンダーという言葉が様々なメディアで聞かれるようになりました。
NHKをはじめとする様々なメディアが日常的に特集を組み、そう呼ばれる人々の現状や課題を分析し、議論しています。
本記事では、特に頻繁に取り上げられるトランスジェンダーについて、代表的なメディアであるNHKがどのように伝え、何を課題と捉えているかについて考えます。

トランスジェンダーとは何か

まず、トランスジェンダーとは性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表すLGBTの一分類です。
LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の略で、レズビアンは女性の同性愛者、ゲイは男性の同性愛者、バイセクシャルは恋愛対象が男性・女性両方の両性愛者です。

一方、トランスジェンダーは自分の性をどのように認識しているかという性自認において、身体の性は男性でも自認している性(心の性)は女性、または身体の性は女性でも心の性は男性というように、身体の性と心の性が一致しない人々を指します。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャルはどの性別の人を恋愛対象とするかの性的指向を表すのに対し、トランスジェンダーは性自認を表すというのが特徴的です。
なお、トランスジェンダーは性同一性障害を持つ人と同一と解釈される場合もありますが、性同一性障害はあくまで医療的な治療を要する場合の診断名です。
トランスジェンダーの中には、身体の性と心の性が一致しないことによる葛藤があるものの医療的な治療を要しない場合もあるため、トランスジェンダーと性同一性障害は同じものであるとはいえません。