【メディアの役割】NHKが伝えるトランスジェンダーについて

NHKが伝えるトランスジェンダー

NHKはこれまで多くの番組で、トランスジェンダーを含むLGBTについて取り上げてきました。

例えば、2019年6月に放送された報道情報番組の『クローズアップ現代+』では、「“性の偏見”取り払えますか?」と題し、LGBTの人たちが職場などで直面する課題や、LGBTの人を積極的に受け入れる企業を紹介し、LGBTに寛容な社会にしていくための議論も展開しています。
同番組では、トランスジェンダーの職員が退職した社会福祉法人の担当者をインタビューしています。
トランスジェンダーは、更衣室で着替えることや、廊下に職員のフルネームと顔写真が貼りだされている状況に抵抗があるため配慮が必要だったことが反省点として挙げられています。
一方で、多様性を積極的に取り入れた企業の例では、店舗で働く従業員の制服を男女とも一緒にしたり、オフィスにあるトイレをすべて個室にして性別に関係なく利用ができるようにしたりと、トランスジェンダーにも配慮した取り組みが紹介されています。

トランスジェンダーを取り上げたNHKの番組は報道番組にとどまりません。
障害を持つなど、生きづらさを抱えた人にとってのバリアをなくすことを目指したバラエティー番組である『バリバラ』では、トランスジェンダーの当事者である芸人の万次郎氏がスタジオに呼ばれ、セクシュアルマイノリティーとしての悩みを打ち明けています。
自分の性のことを両親や友人に話せなかった苦悩が赤裸々に語られています。

さらにNHKは、ドラマでもトランスジェンダーを取り上げました。
2020年3月に放送された、『総務部長はトランスジェンダー』というドラマです。
ムロツヨシが扮する食品会社の総務部長がある日女装したことがきっかけで、女性として生きたいと思うようになり奮闘するというストーリーです。
主演のムロツヨシ曰く、これはユーモラスに描かれているが多くの性を考えることができるホームドラマです。
トランスジェンダーや多様な性について考えるきっかけになると言えるでしょう。

まとめ

このように、NHKは報道情報番組に限らず、バラエティーやドラマなど様々な番組でトランスジェンダーを取り上げてきました。
そこでは、トランスジェンダーの人々が抱える苦悩や生きにくさ、日常生活を送る上での課題などが、当事者や支援者へのインタビューによって少しずつ明らかになってきました。
と同時に、トランスジェンダーに寛容な社会やトランスジェンダーが生きやすい社会を実現するための取り組みも数多く紹介されています。

一方で、芸能人など多くの人々がLGBTについて啓発活動を続けており、海外ではグローバル化により、性の多様性が受容されるようになってきています。
NHKをはじめとするメディアにはそういった、トランスジェンダーを含むLGBTに関する情報を継続的に発信することが求められます。
そうすることで、生きづらさを感じるトランスジェンダーなどLGBTの人々が救われ、希望を持って前向きに生きていけるようになるでしょう。