日本で制作されたlgbt映画を見て感じたこと

この映画を見て感じたこと

 僕は1人のゲイという立場でこの映画を見ました。
しかし、一つ言えるのは確かにこの映画はlgbtよりの作品ですが、何もlgbtの人たちに限らず、どのような人でも楽しむことのできる映画だと思います。

 僕はゲイとして恋愛をしたことがありませんが、もし迅のように、いきなり相手から別れ話を持ち掛けられて、しかもその相手が女性と結婚して子どもまでいるということを知らされたら、ものすごく大きなショックを受けると思います。
同性同士の恋愛に対して、まだまだ開放的とは言えない日本の中で、運よく出会うことができた大切なパートナー。
映画の中でも、迅は渚に対して「このままずっと一緒に暮らしていきたいと思っていたのに、普通の男性として認められたいからと言って女性と結婚するなんて、あまりにも身勝手すぎる。」と言っていましたが、まさにその通りだと思いました。
最終的に2人は和解して、渚と玲奈の間でも折り合いがつき、ハッピーエンドとなりましたが、主人公に感情移入してしまう場面が少なからずあり、幾度となく心揺さぶられてしまいました。

 また、この映画を見た知人の女性にも感想を聞いたところ、「確かに、迅にとって渚は身勝手な部分があったと思う。でも、女性の立場から言わせてもらうと、玲奈のことが可哀想に思えてくる。」と言っていました。
玲奈は渚のことをずっと愛していましたが、彼がゲイであるということは知りませんでした。
そのことを思うと、確かに玲奈に同情したくなる気持ちも理解できます。
そして、調停が進んでいくなかで玲奈は渚がどんな人物であるかを徐々に知るようになっていきますが、その過程がさらにこのストーリーを複雑なものにさせていっているという印象を受けました。

 いずれにしても、この作品はlgbt当事者の方でもそうでない方でもlgbtを理解するためのよいきっかけになりますし、もちろんひとつの恋愛物語としても楽しむことができるので、興味のある方は一度調べてみることをおすすめします。