「ジェンダーロール」という固定観念を社会から取り去るために

ジェンダーロールとはそもそも何か?

「ジェンダーロール」という言葉がありますが、この言葉の意味を知らない人も多いかもしれません。

ジェンダーロールは、社会的に期待される性別ごとの役割という意味で、分かりやすく言えば男らしさや女らしさに近い言葉です。
社会の中で男はこうであるべき、女はこうであるべきという固定観念が社会には存在していると思いますけど、ジェンダーロールはそういった概念です。

このような固定観念は、社会の中にある種の常識として存在している面もあるため、それが普通であると思っている、正しいと信じている人は割といるのではないか?と思います。
しかし、あくまでも固定観念に過ぎないため、こういった状況が正しいと言える根拠はありません。

例えば結婚すれば男は会社で働き、女は家で家事や育児をするという役割は、まさに典型的なジェンダーロールと言えるでしょうけど、それに当てはまらないケースが存在したって構わないはずです。
しかし、社会に存在するジェンダーロールを正しいと思っている人たちが一定割合いることで、苦しんでいる人たちも一部いるのです。

ジェンダーロールを押し付けられることで発生する苦痛

ジェンダーロールというのは、特定の役割を社会が個人に押し付けている側面があるため、それによって苦痛を感じている人もいます。

例えば、勤務時に女性がハイヒールを履かないといけない企業がありますが、こういった企業というのはまさにジェンダーロールにとらわれてしまっている可能性が高いです。
女性はこうあるべきだという固定観念を思い浮かべ、それを実際に女性に強制している状況と言えます。
ハイヒールを強制される女性からすれば、非常に大きな苦痛に感じるケースもあるため、こういった部分は問題です。

ただ、会社にたてつくわけにもいかず、我慢をしているという場合も十分にあるでしょう。
そうやって、社会に存在するジェンダーロールの被害に遭っている人は実際にいます。
こういった例以外でも多くその被害は存在するはずで、やはり当事者からしたらなんとかしてほしい問題でしょう。

性に関する見方が変わりつつある社会に期待

現代社会においては、通常の男性と女性そのどちらでもない性別の概念も登場してきています。
また、LGBTやトランスジェンダーという用語が普及してきており、同性愛の人たち、性自認と身体的性が食い違っている人などの存在が明らかになっています。

従来の男性と女性の区別では捉えられない存在が社会にいることが明らかになってきているわけですが、この状況はジェンダーロールにも少なからず影響を与えるはずです。
というのも、従来の男性と女性という概念が崩れてきた状況が存在することで、男性らしさ、女性らしさという部分も崩れていく可能性が考えられます。

性別に関しては、男性と女性のみというのが常識でしたが、そのどちらでもないXジェンダーという人たちが登場し、恋愛対象に関しては、異性愛のみが常識でしたけど、同性愛も徐々に理解されつつある状況になってきています。
そういった感じで、性別に関する常識は崩壊しつつあるわけで、従来の常識が通用しない世の中になりつつあるという意味では、結局は多様性への理解が進むはずです。

特定のものしか認めない状況よりも、いろいろな違いがあっていいじゃないかという、多様なものを容認する世の中になるでしょう。
だから、これまで存在したジェンダーロールそれ自体も徐々に消えていくのではないでしょうか?