「LGBTじゃないし」というフリをしていた、中学生の私へ【体験談】

意識調査で「イシキ」させられたこと

先日、私をゲイ、だと知っている友人から「LGBTについての意識調査をしたいので協力してほしい」という依頼がありました。
依頼主の彼女とは何でも話せる間柄だし、大学の卒論の資料として使いたい、という大マジメな理由があってのことだったので「いーよー」と軽い気持ちで引き受けたのです。
それから程なくして、インタビュー形式で私の意見を録音する形の「意識調査」を受けたのですが、質問の項目の中に、私の「中学生時代」に言及するものがあり、そこで私はなんとも言えない気持ちになってしまいました。

私は、塞いでいたフタを恐る恐る開けるような気持ちで、自身の中学生時代を振り返ることになったのです。

なにも起こさないでいたかった

私が中学生だったころ、世間では同性愛をモチーフにしたドラマが「過激だ!」とヒットし、「ホモネタ」と揶揄されるギャグもバラエティ番組で紹介されたりしていました。
私が自分の性嗜好に気づいたのもこの頃です。

もともと人前に立ったり、むやみに目立つことが苦手だった私は、自分の中の「男の人が好き」という感覚を、見つかったら笑いの標的にされる「恥ずかしいこと」だと思うようになりました。
友達は人並みにいましたし、クラス内の誰ともそれなりに上手くやっていたとも思います。
ですが、そうして波風立たないように当たり障りのない中学校生活を送っていければそれでよかった私にとって、自身の抱える「ゲイ」という性質は、穏やかな生活を激しく波立たせ一変させてしまう恐れのある「キケン」なものだったのです。

見つかったら只事では済まない、笑われ冷やかされ、イジメられてしまうかもしれない…私の中学生時代は、そんな後ろめたさを人知れず抱えながら生きていた、表面的には明るくも、どこか暗くさみしい期間でした。