トランスジェンダーを扱った最近の映画【一度は観て欲しい】

トランスジェンダーを扱った最近の映画

LGBTへの理解が浸透しつつある昨今ですが、これまで彼らがマイノリティであることでどんな扱いを受けてきたか知る機会があまりありませんでした。
トランスジェンダーを扱った最近の映画を見ることで、きれいな映像で作品を楽しみながら、少しでも理解が深められたらと思います。

「リリーのすべて」

主人公リリーの物語は1920年代のデンマークで始まります。
成功した風景画家のアイナーは、妻の肖像画家ゲルダと仲睦まじく暮らしていました。

ある日、アイナーはゲルダにバレリーナの肖像画(の足)を書くために、モデルとしてポージングを頼まれます。
最初は気が嫌がるアイナーですが、ストッキングに足を通し、自分の中にリリーという女性がいることに気付きます。

その日を境に、女装への興味が押さえられなくなっていき、ゲルダは最初こそお遊び半分で楽しんでいるのですが、リリーとして過ごすことが多くなるアイナーに困惑します。

アイナーはリリーとして生きるために仕草や服装をリリー中心にしていきます。
アイナーがリリーでいるのには、暴力と無理解という試練が次々と降りかかってきます。

大人になってからトランスジェンダーであることに気がついたアイナーと、夫を常に理解しようとし献身的に接するゲルダ、それぞれの苦悩から、周囲の人々の無理解と無神経さがいかに残酷か見て取れます。

「ガール」

現代のベルギーで、15歳のララがバレリーナになることを夢見て有名バレエ学校に入学するところから物語は始まります。
体がまだ男性のララは性別適合手術を予定していて、ホルモン補充療法を受けていました。
しかし、胸のふくらみに期待したほど変化がなく、治療の効果は目に見えてこないことに苛立ちます。

学校でのバレエの練習中、ペニスを股間にテープで貼り付けているのですが、レオタード姿ではどうしても目立ってしまいます。
クラスメイトや教員の差別的で屈辱的な言動にストレスをためながらも、理解のある父親と教員にはうまく救いを求められません。

そんな中テーピングをしていたせいで陰部は炎症を起こし、一刻も早く行いたい性別適合手術は延期することになってしまいます。
現状に耐え切れなくなった彼女は…。

衝撃的なラスト以上にショックだったのが、現代の映画だということです。
思春期で悩むのはララだけでなく、思慮にかけたクラスメイトたちがストレスの吐口としてつらくあたるのにララは格好の的でした。

容赦ない言動を受けても気丈に振舞うララに感動しながらも、このようなことがあってはならないと思い新たにしました。