オリンピックのトランスジェンダー選手の不公平問題の解決策【難しい問題】

トランスジェンダーの人たちが経験するオリンピックでの葛藤

トランスジェンダーとオリンピックの問題というのは以前から議論されてきました。
やはりトランスジェンダーの人たちの意思を最大限尊重すると、身体的特徴としては男性なのに、女性として出場して、好成績を残しやすいというケースが生まれます。
その状況に関して、トランスジェンダーではない女性選手からの反発も強い状況です。
それによってオリンピックなどのスポーツの大会において、トランスジェンダーの選手は肩身の狭いを思いをしやすいです。

実際、戸籍上は男だが、自分のことを女だと感じている選手は、自分の気持ちとしては女性の部に出場したいと思うでしょう。
しかし、それを実際に行うと上記のような問題になるということで、トランスジェンダーの選手は少なからず葛藤を抱え、そのうえで出場をしないといけないのです。

「不公平」という気持ちが生まれる原因

やはり一部のトランスジェンダーの選手に対する他の選手の反発は、「不公平」という気持ちから生じているはずです。
しかし、なぜ不公平という気持ちが生まれてしまうのか?という問題があります。

というのも、オリンピックにおいて不公平な要素はもっとたくさんあるはずで、男女の性別以外の部分に関してはそういう声はあまり聞かれません。
例えば、それぞれの選手の経済事情のような部分も異なっていて、経済事情が異なれば、練習やトレーニングに使える金額に差が生まれて、それは成績にも変化を生むと考えられるでしょう。
これも明らかに不公平な状況であると言えますが、経済事情に関して不公平だという主張をする人たちはほとんど聞かれません。

これはなぜか?と言えば、経済事情によって選手の選別をしていないからです。
オリンピックでは男女の選別はしているものの、経済事情による選別はしておらず、貧しい者も富める者も同じ枠組みで出場するようになっています。
しかし、オリンピックでは男性と女性は別々の枠組みで出場するようになっており、嫌でも男子の部と女子の部という部分を意識せざるを得ないのです。
そこに反発が生まれる原因があるのではないでしょうか?

男女の垣根をなくすという構想を考える人たちがいる

このような部分にすでに気付いている人たちはすでにそこそこいます。
実際、経済事情が異なる選手同士が戦うなんて不公平だろうという反発はないので、そこにヒントを得ている人たちがいるのです。

その結果、オリンピックは男女の垣根をなくす競技や種目を作ったらどうか?という意見が存在しています。
全ての競技や種目をそうするわけではなく、一部でそういう状況を作っていくと、トランスジェンダーの人たちに対する見方が変わる可能性があるわけです。
この場合、男女が同じ枠組みで出場し、競い合うという状況になります。

多くの競技や種目において優勝をするのは恐らく男性の選手になるでしょうし、上位は男性が占めるという状況になる可能性が高いでしょうけど、男女同士が一切戦わないという従来の概念を覆す状況は、それはそれで面白いものであるかもしれません。
例えば競馬では、牡馬と牝馬は同じレースに出ることが多々ありますし、陸上競技では男女混合リレーというものも存在しています。

男女が同じ枠組みで戦うということに関して、前例に近いものは一応存在しています。