トランスジェンダーに対する英語の代名詞の使用の変化【相手への配慮】

トランスジェンダーといった人たちに関しては、外見の性別で判断していいというわけではありません。
外見の性別は一般的な生物学的な性別になりますが、トランスジェンダー本人の感覚としては生物学的な性別とは違った性別を認識しているわけですから。
したがって、トランスジェンダーの人たちに関しては、見た目で性別を判断すべきではないという配慮がどうしても必要です。

そして、それは言葉においても同様で、日本語でも言えることですけど、英語においてトランスジェンダーの人たちをどう呼ぶべきか?という問題が実は生じています。
特に問題なのは代名詞の部分で、トランスジェンダーの人たちに対してどの代名詞を使うべきか?という課題が実は存在していたのです。

トランスジェンダーの人たちに対して適切な代名詞とは?

トランスジェンダーの人の場合、見た目と本人の認識する性別が一致していないという状況があります。
この状況では、例えば性別がかかわってくる英単語の使用に関して難しい状況が発生しています。
代名詞はその1つであり、HeやSheといった単語を普通に使うということが難しくなります。

見た目は明らかに女性なんだけど、本人は男性だと思っている場合には、どっちを使えばいいの?みたいな疑問が生じてきます。
トランスジェンダーであることが第三者において確実に判明している場合には、見た目や生物学的な性別ではなく、本人が認識している性別の代名詞を使った方が望ましいという考えがあるでしょう。

ただ、人によってトランスジェンダーの人たちに対して使うべきと考える代名詞のルールが異なる場合も考えられます。
だから、いくら本人が女性だと思っていたって、戸籍上男性ならばHeを使うべきだという考えを持っている人もいるかもしれません。
社会の中でトランスジェンダーの人たちに対する英語の代名詞の共通の使用ルールのようなものが完全に確立しないと、こういう問題はなくならないでしょう。

LGBTの人たちに対する代名詞の使用はさらに難しい

トランスジェンダーはLGBTという性的少数者の括りの中の1つですが、このLGBTという括りに対する代名詞の使用に関しては、さらにややこしい側面を持っています。
というのも、LGBTの中には男性でも女性でもないという感覚の人がいるからです。
トランスジェンダーの人たちに対する英語の代名詞の使い方の問題もありますけど、LGBTの中にいるいわゆるXジェンダーという人たちに関しては、HeとSheのどちらも使えないという問題が生じます。

本人は男性でも女性でもないと思っているわけですから、本人の感覚を尊重すると、どちらも相応しくないと言えるでしょう。
日本でも同様の問題は考えられますが、英語を使う国では実際にこのような問題が発生していて、議論が行われている面もあります。