ワーホリでLGBTを知る

海外に出て、初めてトランスジェンダーの人と働く

私がオーストラリアにワーホリに行ったのは2014年でした。
その頃の私は、栃木出身の田舎者でしたが東京で働いていたこともあり、いろんな人たちに出会ってきたと思っていました。
しかし、海外に出てみて自分の、そして日本のクローズドマインドの怖さを知ったのです。
LGBTは、その頃からテレビで話題になっていたため知っていましたが、実際に堂々と歩いている人たちを見るのはオーストラリアに来て初めてでした。
そんな初めてのワーホリで、文化の違いを目の当たりにしながら過ごしていた私は、やっとバリスタになりたいという夢を叶え、あるカフェで働きまじめました。
そのカフェで出会ったのが、ニュージーランド出身のターニャ(仮)です。
彼女は女の子にしては大きいけど、しなやかな動きは見習いたくなるような大人の色気を出していました。
なので、私はその子が男性だったなんてしばらくして他の仕事仲間に聞くまで知らなかったのです。
びっくりする私に、仲間はそんなに珍しくないというような感じで普通に仕事に戻っていきました。
これがLGBTを知るというきっかけになりました。

LGBTを知る

しばらくして働く場所を変えた私は、だいぶカフェの雰囲気もつかみ、仕事をこなすようになりました。
当時の私のマネージャーはゲイで、お金持ちの彼氏がいて、休みはいつもおしゃれなバーやペンションでの写真をInstagramにあげるような陽気な人でした。
そんな時、オーストラリアで同性同士が結婚できるという法律がついに制定されたのです。
街は大盛り上がりで、祝福に包まれた様子でしたが、私のマネージャーはなんだか元気がありませんでした。
話を聞くと、彼の地元はオーストラリアでもかなり田舎の地域で、未だにLGBTに理解できない人たちがいると話し出しました。
そして、同性同士の結婚の法律が変わるときの投票率が一番少なかったのも、彼の地元だったと涙を流して話してくれました。
いつも陽気なマネージャーが、弱みを見せたのも初めてでしたし、相談してもらったことで、LGBTを知ることができました。
やっぱり海外といえど、違う人間を理解できない人たちというのは存在するのだと悲しみを覚えました。

ゲイの友達

そんな出会いを通して、私はLGBTを知って支援したいという気持ちと、悩みの内容は違うけれどお互い困ったときに助け合うという大切さを分かち合うことで、同じ人間として何の区別のないことを学びました。
陽気な私の友達もいつも元気そうだけど、どこか不安を抱えていることがあります。
悩みや、迷いを相談することでお互いの信頼を深め合うのは、人間だからこそできることです。
わからないからといって、思考を止めるのではなく、LGBTを知ることで、理解しようと歩みよることが大事なのだと思いました。