トランスジェンダーと性同一性障害の違い

違いを説明できますか?「トランスジェンダー」と「性同一性障害」

LGBT用語の中に、「トランスジェンダー」と「性同一性障害」という言葉があります。
この2つの言葉の違いについて、説明できますか?
英語か日本語かの違いだと考える方もいらっしゃいますが、実は違います!
そもそも混同しやすいLGBT用語の中でも、特に混同されやすい「トランスジェンダー」と「性同一性障害」について、その違いを説明して行きます。

「トランスジェンダー」と「性同一性障害」、それぞれの定義と違い

「トランスジェンダー」とは、ラテン語で「貫いて」「乗り越えて」等を意味する接頭辞「トランス」と、英語で「性」を意味する「ジェンダー」を合わせて作られた言葉です。
「自分自身が心で感じている性別と出生時に割り当てられた性別が一致していない人」と定義されています。
この「トランスジェンダー」の定義とは少々離れますが、「体の性と心の性は一致しているが、その性とは異なる服装をする状態」や「体の性と心の性は一致しているが、周囲から見られる性が異なる状態」も「トランスジェンダー」の1つとされています。
一方で、「性同一性障害」は、「自分自身が心で感じている性別と出生時に割り当てられた性別が一致していないことから、違和感を感じている状態」と定義されています。
あれ?2つの言葉に結局違いはないのでは?と思われたかと思います。
いいえ、きちんと違いはあるんです!
これから、2つの言葉の違いについて説明して行きます。
「トランスジェンダー」という言葉は、「性同一性障害」よりも広義に使われている言葉で、「トランスジェンダー」の中に「性同一性障害」が含まれていると考えて頂いて構いません。
この2つの言葉の大きな違いは、心の性と生まれた時の性を一致させて生きたいと考えているかどうか、です。
「性同一性障害」と診断された方は、その定義に「違和感を感じている」という状態が含まれていることから、心の性と体の性を一致させたいという意思が強いです。
一方でトランスジェンダーの方は、その意思が比較的弱いとされています。
ただしもちろん人間なので、その気持ちが変化することは十分あり得ます。
今は性を一致させたいと思っていなくても、今後一致を強く望むことになるかもしれません。
その場合は「性同一性障害」と診断されることもあるでしょう。
だからこそ、トランスジェンダーがより広義の意味として使われているのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
やっぱり少し、ややこしかったかもしれません…。
LGBT用語は、混同されがちな用語が多くありますが、誤って使用すると失礼に当たることもあります。
話題に上ることも多い今、用語1つとっても正しく使えるように気を付けたいですね。