バイセクシャルと、トランスジェンダーの違いとは?

バイセクシャルとは?

バイセクシャル(Bisexual)とは、両性愛者のことで、同性と異性の両方が恋愛対象と性的欲求対象になる人という意味になります。
例えば、女性が、男性と女性のどちらの性別の相手も好きになるといったケースがそれにあたると言えるでしょう。
レズビアンやゲイは、同性が好きになる人のことですが、バイセクシャルは男性と女性のどちらも好きになるということです。このバイセクシャルに似たものに「パンセクシャル(Pansexual)」と呼ばれるものがあり、こちらは全性愛者と訳されます。
どちらも、異性以外の性別も好きになるという点は同じですが、実は決定的な違いがあるのです。
バイセクシャルは男・女という2つの性だけに性的指向が向かうものですが、パンセクシャルにはその2つの性だけでなく中性や無性といったさまざまな性も含まれているという違いがあります。
性別というと男・女の2つだけと思われがちですが、実際はそれ以外にもさまざまな性があり、SNSで有名なFacebookの性別欄には数十種類もの性別が用意されているほどです。
そのため、パンセクシャルのほうがバイセクシャルより、性的指向の範囲がずっと広いということになります。
また、バイセクシャルに似たものとしては他にも「バイロマンティック」というものもあり、こちらは、性的欲求がなく恋愛感情だけが両性に向かう人を指すものだと言えるでしょう。

トランスジェンダーとは?

トランスジェンダー(Transgender)は、日本語では性別越境者と訳されることがあり、性別に違和感を持つ人々の総称として使われる言葉です。
性別への違和感というのは、出生上の性別(主に身体的性)や、性別に課せられた役割などに対する違和感になります。
そもそも性というものには、身体的性(身体的構造における性)と、性自認(自分の心が思っている性)、そして性的指向(自分が好きになる性)の3つから成り立っているのですが、トランスジェンダーは、主に身体的性に違和感があるということになるでしょう。例えば、男性の身体的構造を持っている人が、そのことに対して心に違和感があるといった場合がそれにあたります。
そしてトランスジェンダーは一様ではなく細かく分かれており、他の性別に一致感がある場合やそうでない場合、さらに違和感がずっと続く場合や一時的な場合などがあると言えるでしょう。
またトランスジェンダーでよく問題になることとしては、「性同一性障害」との違いがあります。性同一性障害は、出生上の性への不快感や逆の性に対する同一感が持続することで、精神的、または生活上で苦痛や問題を抱えている状態を指します。
つまり、性の不一致によって苦痛や問題を抱えていて、それを(性適合手術などで)解消したいと考えている場合が性同一性障害になると言えるでしょう。
ただし誤解してはいけないのは、トランスジェンダー自体は障害や病気ではないということであり、このことはWHOも認めています。

バイセクシャルとトランスジェンダーの違い

バイセクシャルは恋愛感情などの性的指向に関わるもので、トランスジェンダーは性別に違和感があるという、身体的性や性自認に関わるものという違いがあります。
そしてバイセクシャルには、パンセクシャルやバイロマンティックという似たものがありますし、トランスジェンダーは一様ではなくさまざまな形があります。
このように性の在り方には多様性があり、一括りにはできない状況があると言えるでしょう。