結婚後に自分のトランスジェンダーに気づいた話

結婚とトランスジェンダー

トランスジェンダーの方で結婚について悩まれている方はたくさんいると思いますが、私のケースは結婚後に自分のトランスジェンダーに気づくという前後関係でした。
どちらかと言うと珍しいケースかもしれません。

結婚、そして父親になる

私が結婚したのは18歳の時です。
相手は中学校の同級生で、中学2年生の時から付き合いを開始し、そのまま結婚に至りました。
結婚のきっかけは、彼女に子供が出来たからです。所謂デキ婚ですね。
十代での結婚に多少不安はありましたが、それよりもふたりの子供を授かった喜びの方が大きく、とても前向きな気持ちで結婚しました。
私の両親も妻の両親も、初めは驚きましたが結婚・出産について反対することはせずに応援してくれました。

トランスジェンダーに気づく・母親になりたい!

ところが子供が生まれて程なくした頃です。自分の中に不思議な感情が芽生えたことに気づきました。

「この子の父親ではなく、母親になりたい。」

初めは何かの勘違いかと思いました。しかし、子供の世話をしている時に心に感じる違和感、母親と子供がスキンシップを取っている光景を見ている時の焦燥感、そういう感情が普段の生活の中で少しずつ積み重なっていきました。
そんな気持ちを抱えたまま2年の月日が流れました。この頃になると、父親という役割を演じる結婚生活が私にとっては大きなストレスとなり、自分のトランスジェンダーを妻に告白しなければ、自分の精神状態が正常に保てない状況まできていました。
「母親になりたい」という感情が明確になると、服装や仕草、話題など自分を取り巻く男性的なものが次々と受け入れられなくなってしまい、早く本当の自分になりたい、自分を偽りたくないという気持ちが日に日に強くなり、抑えきれない・爆発寸前の状態となっていました。