腐女子がうっかりゲイに告白しそうになった話

「あの人、ゲイだから」

私は大学生の時にカラオケ店でバイトをしていました。
そこで気になっている男性がいたんです。
当時私は大学生になったばかり。彼は私より3つ年上でした。
なにより容姿がどんぴしゃで好みでした。
背は小さめで(私は背の低い人が好きなので)笑顔がかわいくて誰にでも優しくて周りに愛される、そんなタイプです。
高校生の時にもバイトはしていましたが職種が違ったこともあり、慣れないことばかりに慌てる私にいつも笑顔で接してくれました。
何度失敗しても笑って許してくれて、時々冗談を言ってくれたり……どんどん心惹かれていきました。
ある時バイト先に行くと彼と入れ違いになりました。
いつも通り挨拶とちょっとした会話をして別れたのですがそれを見ていたバイトリーダーの子に「もしかして彼のこと、ちょっと気になってたりする?」と聞かれました。
ばれないようにしていたのでドキッとしました。
曖昧にごまかしながらどうしてそんなこと聞くのかと問うと彼女はまさかの告白をしたのでした。
「いや…あの人、ゲイだから、無理だよ」と。

理解してると思ってたけど……

正直に言うと私は腐女子です。
目覚めたのは中学の頃でした。
当時漫画のキャラクターとの恋愛小説を読むのが好きでネットで検索していた時に間違えてキャラクター同士の恋愛(男同士)の小説を読んだことがきっかけでした。
全く知らない世界だったのでその衝撃はかなりのものでした。
今のようにLGBTという言葉はなく、世間で知る人はほとんどいない時代でした。
親にも学校でも教えられていません。
なんだか見てはいけないような気がしました。
彼がゲイだと告げられた時、その時と同じような感覚になりました。
男性同士の恋愛を見るのが好きで漫画や小説をよく見ていました。
お恥ずかしい話ですがそれだけでゲイのことを理解してるとどこかで思っていたのです。
でも彼に出会ったことでそれはまるで見当違いだったことを知りました。

今思えば当時はLGBTの人に出会ったことがありませんでした。
今よりずっとカミングアウトしづらい環境だったこともあるかと思います。
彼はバイトの仲間にはカミングアウトしていたようでした。
当時バイト先はほとんどが大学生でみんなLGBTに理解のある人ばかりでした。
というより自然に彼の個性として受け入れているようでした。
私も戸惑いながらも自然に思えるようになりました。
ただ恋愛対象が男性だったというだけのこと。
彼にもそれが伝わっていたのか私にも普通に恋愛の話をしてくれました。
お互い彼氏欲しいね、と話したり。私的には少し複雑でしたが普通に恋愛の話ができて楽しかったです。

結局、彼に私の気持ちを打ち明けることはありませんでした

1年後彼は無事就職してバイトをやめました。
ある時SNSで彼が彼氏と仲良さそうな写真をアップしていたのを見ました。
その時の彼の見たことのない幸せそうな笑顔を見て、私の気持ちはやっと成仏されました。
彼に出会って彼を好きになって良かったと思えるようになりました。
誰が誰を好きなるのは自由。片思いだったけどいい恋の思い出です。