【治療】トランスジェンダーに医師ができること【カウンセリング】

はじめに

トランスジェンダーの悩みを相談したい、少しでも楽になりたい、そういったときに頼れる存在の一つが医師です。
医師は何でもできるようなイメージがあるかもしれませんが、トランスジェンダーに対してできることとできないことがあります。

では、トランスジェンダーに対して医師は何ができるのでしょうか。

カウンセリング

カウンセリングとは、相談者の悩みごとに対して対話を通して問題解決に導いていく心理療法のことです。
カウンセリングの方法にはいくつかあり、話を聞くだけの場合もあれば、アドバイスをすることもあります。
話を聞くだけの場合、話をして何になるのかと考える方もいることでしょう。しかし、ただ話すだけでも気持ちが楽になることがあります。
悩みをずっと一人で抱えていてつらく感じたことがありませんか。
誰かに話したい、理解して欲しいと感じたことがありませんか。

話したいと思ってもトランスジェンダーの悩みはデリケートなので、身近な人に気軽に相談できないことがあると思います。
専門的な知識を持つ医師であれば、トランスジェンダーの悩みを理解してくれることが期待できます。
また、病院で話されたことは一切外に漏らされることがないので、知り合いに知られる心配がありません。
安心できる環境で何でも話してよいのです。

カウンセリングを受けられるのは、主に精神科や心療内科です。
産業医がいる企業であれば、医務室やカウンセリング室で相談できます。
また、相談に乗ってくれるのか医師ではありませんが、個人で運営しているカウンセリングルームでもカウンセリングを受けることができます。

ホルモン治療

トランスジェンダーとは、出生時の性と自分で思っている性が一致していない状態のことです。
性同一性障害だと診断されると病院で治療を受けることができます。

ホルモン治療は、男性ホルモンや女性ホルモンを投与する治療方法です。
女性ホルモンを投与すると、乳房が大きくなる、髪の量が増える、脂肪がつくなどの変化があります。
しかし、変化の現れ方には個人差があり、女性ホルモンの投与だけでは胸が十分な大きさにならない方もいます。
髪の量が増えるのは、女性ホルモンが髪に影響を与える働きがあることと、男性ホルモンの髪への影響が減少するからです。
女性の腹部には子宮や卵巣など子供を産むための大切な臓器が集まっていて、それらを守るためにお腹周りに脂肪がつきやすい傾向があります。
出生時は男性であっても、女性ホルモンを投与すると脂肪がついてふっくらとしてくることがあります。

男性ホルモンを投与すると、ヒゲが生える、筋肉が増える、声が低くなるなどの変化が現れます。
男性ホルモンのテストステロンには、筋肉量を増やす作用があります。
女性よりも男性の方が筋肉量が多いのはホルモンの影響があります。

こういった変化が期待できるのですが、副作用が心配されます。
副作用には、肝機能障害、めまい、頭痛、生殖機能の喪失などがあります。
副作用の現れ方には個人差があります。
医師とよく相談をして治療を考えていきましょう。