トランスジェンダーの学生を受け入れる?変わる女子大の対応

トランスジェンダー学生の受け入れを決めた女子大

出生時の性別が男性だが性自認が女性というトランスジェンダーの学生は、女子大に入れるのでしょうか?
アメリカでは2014年に教育省が、教育機関での性差別を禁じる法律(1972年、タイトルIXと呼ばれる)によってトランスジェンダーの権利も守られるという見解を示したことで、女子大のトランスジェンダー学生の受け入れが進んできました。
日本でもついに、お茶の水女子大学と奈良女子大学がトランスジェンダー受け入れを決定し、大きな話題となっています。

国立の女子大がリード、私立の対応は

東京都にあるお茶の水女子大学は、2018年にトランスジェンダー学生の受け入れを日本で初めて表明し、全国の女子大に大きな議論を巻き起こしました。
次いで2019年に奈良県の奈良女子大学が受け入れを決定し、ともに2020年度から受け入れを開始しています(奈良女子大学の場合、大学院生、研究生については2021年度以降順次)。
学びたい女性に対して門戸を開くという理念を守ってきた女子大学が、多様性を含んだ新しい「女性」の概念を認めた大きな変化といえるでしょう。
いずれの大学もトランスジェンダーの学生本人が入試前から十分なサポートや情報提供を受けられるように、相談体制を整えています。
変化をリードしたお茶の水女子大学、奈良女子大学は、全国に2校しかない国立の女子大学です。
私立の女子大、女子短大の対応はどうでしょうか。
私立では、東京の津田塾大学、日本女子大学、東京女子大学が受け入れを検討していることが朝日新聞社の調査で分かっています。
一方で、地方女子大学を中心に、まだ現段階でのニーズに懐疑的だったり、協議、検討する予定はないという女子大も少なくありません。
教員や学生の意識変革や施設面の整備など課題は多く、変化はまだ一部の女子大にとどまりそうです。

多様な性に教育の権利を

日本でも国立の2つの女子大学がトランスジェンダー学生の受け入れを開始したのは、歓迎すべき大きな変化といえます。
ただし、この変化が一部の女子大のものである限り、トランスジェンダー学生の学ぶ権利はまだ完全に保障されたとは言えないでしょう。
まずは多くの女子大の中で、このような課題について真剣に検討が行われ、議論が重ねられることが大事なのかもしれません。