トランスジェンダーを受け入れる女子大が増加

概要

これまで、女性のための学びの場である女子大学(以下、女子大と記述)は、戸籍上の性別が女性である人々のみを学生として受け入れてきました。
ところが近年、性の多様化とともに、性的少数者(セクシャルマイノリティー)の一種であるトランスジェンダーと呼ばれる人々を学生として受け入れる女子大が出てきました。本記事では、トランスジェンダーとは何か、また女子大がトランスジェンダーの受け入れに動き出した背景や具体例、またそれに伴う課題について考えます。

トランスジェンダーとは何か

性的少数者の分類方法はいくつかありますが、最も有名なのはLGBTというものです。これはレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の略で、そのうちレズビアンは女性が女性を恋愛・性的対象とする同性愛者、ゲイは男性が男性を恋愛・性的対象とする同性愛者を指します。
一方、バイセクシャルはその人の性別に関わらず、男性と女性の両方に対して恋愛感情や性的欲求を抱く、いわゆる両性愛者です。一方、トランスジェンダーは性的指向ではなく、自分の性をどのように認識しているかという性自認における分類で、身体の性は男性でも自認している性(心の性)は女性、または身体の性は女性でも心の性は男性というように、身体の性と心の性が一致しない人々を指します。そのため自身の体に違和感を持ち、周りとの違いに戸惑う人々が数多くいます。