LGBTの人々に対する理解を向上させるには

LGBTとは何か

LGBTとは、性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表す言葉の一つとして使われる言葉です。LGBTは、次の4つの言葉の頭文字を取って表されます。
まずLはレズビアン(Lesbian)で、心の姓が女性で恋愛対象も女性という、女性の同性愛者です。
次にGはゲイ(Gay)で、心の姓が男性で恋愛対象も男性という、男性の同性愛者です。
次にBはバイセクシャル(Bisexual)で、恋愛対象が男性と女性の両方に向いている、両性愛者です。
これまでの3つはどのような性別の人を好きになるかという、いわゆる性的指向を表します。
最後のTはトランスジェンダー(Transgender)で、身体の姓は男性でも心の姓は女性というように、身体の姓と心の姓が一致しない人々です。
これは、自分の姓をどのように認識しているかを表します。自身の体に違和感を感じ、苦悩する人々が数多くいます。

LGBTの人々が抱える困難

LGBTの人々は、少数者であるがゆえに理解されず、様々な差別や偏見にさらされることが少なくありません。
例えば、学校でホモやオカマと言っていじめられたり、LGBTという理由で企業の採用面接で断られたりすることが多いのが現状です。
そのため、LGBTの人々は「自分は人と違うので、どこかおかしいのではないか?」と思ったり、「これは病気だから、治療してもらわなければならないのではないか?」と思ったりすることで、自分自身に対して否定的な感情を持つこともあります。
また、否定されるのを恐れて、自分がLGBTだと周囲にカミングアウトすることができない人も多くいます。
これがエスカレートすると、精神的な病に陥ったり、場合によっては自殺してしまう場合もあり得ます。
他にも、トランスジェンダーの人々は、トイレを利用するのが困難になる場合もあります。
身体の姓と心の姓が一致しないため、自認している性と同じ性別のトイレを利用するのが難しいためです。
また、同性カップルが婚姻関係を持てなかったり、賃貸住宅を借りることができなかったりすることもあります。
このように、LGBTの人々は周りの人や社会から正しく理解されずに差別されたり、通常であれば受けることができるサービスが受けられないといった現状があります。

LGBTを正しく理解する社会に

こういった課題を解決するためには、私たちがLGBTを正しく理解し、LGBTの人々を受け入れる姿勢を持つことが重要です。
近年では、職場や学校でもLGBTへの理解を進めるための研修や学びの機会が増えてきています。
芸能人でも自身がLGBTであることをカミングアウトしたり、LGBTを正しく理解してもらうための活動をする人が増えています。
またインターネットでも、企業や公的機関など多くの団体が、LGBTに関する情報を積極的に発信しています。まずはそういった情報に触れてみるといいでしょう。
次に、周囲の人々との接し方を考えてみましょう。日本人は、約8%の人がLGBTだといわれています。
したがって、性的少数者といっても、多くの人は、これまでに一度はLGBTの人と接しているでしょう。
そういった人々に対して偏見の目を持っていないか、差別的な言動をしていないかといったことを自分自身に問いかけ、もし心当たりがあるならそういったことをしないように注意すればよいでしょう。
LGBTの当事者は、自分を卑下したり、無理して周囲にカミングアウトする必要はないと思います。
LGBTであるかどうかに関係なく、お互いを尊重しあい、居心地の良い環境を作って生活していくことで、LGBTへの理解も自然に進んでいくでしょう。