LGBTのシンボル「レインボーフラッグ」

はじめに

LGBTを表す物としてよく使われているのが「レインボーフラッグ」。
アメリカで同性婚が合法化された際、これを喜ぶ市民がレインボーフラッグを掲げていた映像をご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
ところで、そもそもなぜレインボーフラッグがLGBTのシンボルとして使われるようになったのか、ご存じでしょうか?
ここでは、なぜLGBTのシンボルとしてレインボーフラッグが使われるようになったのか、そこに込められた意味は何かを説明します。

レインボーフラッグに込められた意味

レインボーフラッグは、英語では「gay pride flag」または「LGBT pride flag」という名前でも知られています。
日本語に訳すと、それぞれ「ゲイプライドの旗」「LGBTプライドの旗」という感じです。
その名の通り、LGBTパレード等、LGBT活動において使われることの多い旗です。
もともとレインボーフラッグは平和を表すシンボルとしても使われていたのですが、「ゲイの首都」とも呼ばれているLGBTフレンドリーな街サンフランシスコで1970年代にLGBT活動のシンボルとして使われ始め、今では世界中で使われるようになりました。
レインボーフラッグをLGBTのシンボルとして考案したのは、アメリカのLGBT活動家であるギルバート・ベイカーです。
ベイカーがレインボーフラッグを採用しようと考えたきっかけは、「オズの魔法使い」の音楽として有名な「虹の向こうに」であるとも言われています。
虹には何種類もの色によって構成されており、多様性を表すことが出来るから、人間の多様性の一つであるLGBTを表すシンボルとして適していると考えられたのです。
レインボーフラッグは6色で構成されており、赤は生命を、オレンジは癒しを、黄色は日光を、緑は自然を、青は静けさを、紫は精神を意味しています。

レインボーフラッグの歴史

レインボーフラッグがLGBTのシンボルとして使用されるようになる前にLGBTのシンボルとして使われていた物は、ピンクトライアングルやブラックトライアングルという、それぞれピンク色と黒色の逆三角形で表されるマークでした。
これはもともと、第二次世界大戦中にLGBTを区別するためにナチスによって作られた物で、ピンクトライアングルはホモセクシュアルを、ブラックトライアングルはレズビアンを表すマークでした。
1970年代にゲイ活動のリーダーとして活躍していたハーヴェイ・ミルクや他の活動家たちが、このような歴史を持つピンクトライアングルやブラックトライアングルを使うことを嫌ったため、新たなLGBT運動のシンボルとして、レインボーフラッグが選ばれたのです。
当初のレインボーフラッグは、性を表す色であるピンクを含め8色で構成されていました。
その後、活動の広がりや技術的な問題から、さまざまな変遷を経て現在の6色に落ち着いています。
現在ではレインボーフラッグ以外でも、レインボー柄はLGBTフレンドリーを表す物としてさまざまなモチーフに取り入れられています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
レインボーフラッグの歴史を振り返ることで、LGBTの活動家たちの思いも感じることが出来たのではないでしょうか。
また、何気なく使われているレインボーフラッグの意味を知ることで、「多様性」についても考える機会を持てたかと思います。
レインボーフラッグが表す多様性の大切は、LGBT以外でも言えることだと思います。
この世界で生きる全ての人が、自分らしさを大切に生きられる社会にどんどん変わって行けるように、私たち一人一人もお互いへの理解と尊重を忘れないようにしたいものです。