最近よく見るジェンダーの意味とは

気になる「ジェンダー」という言葉

最近、さまざまなメディアで「ジェンダー」という言葉を目にするようになりました。しかし、何となく性別についての言葉だということは分かっても、正確な意味はよく知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ジェンダーの意味や、例、問題点などについて紹介します。

ジェンダーの意味とは

「ジェンダー」とは、身体的な性別に対する、社会や文化の中で作られた性のありようを意味する言葉です。
身体的な性別は、英語で「sex」になりますが、ごく簡単に言えば、動物のオスとメスの違いということになるでしょう。
具体的には、生殖器や性染色体の違いによって区別されるものであり、多くの場合、生まれ持った生物学的な性別のことを指すと言えます。
一方のジェンダーは、社会の中で作られた性のありようであり、身体的な性別と違って生まれ持ったものではないという点が重要になります。なお英語圏では、「gender」というと単に性別を意味する言葉になるため、その点は注意しておく必要があるでしょう。

ジェンダーの意味を理解するための例

先ほど説明したように、ジェンダーというのは、生まれつき持っている身体的な性別による特性とは違うものです。
あくまでも自分を取り巻く社会や文化の中で、後から与えられたものになります。
わかりやすく言えば、男はこうでなければいけないとか、女ならばこれをすべきといったものを指すと言えるでしょう。
例えば、女は家事や育児をして、男は外で働くということや、ランドセルの色は男の子が黒やブルー系で、女の子が赤やピンクといったことが、ジェンダーだと言えます。しかし、男性でも赤やピンクが好きな人がいるでしょうし、女性でも黒やブルーのほうがしっくりくるという人もいるでしょう。
そして男女の仕事分担についても、必ずしも男性が外で働かなければならないことはありませんし、女性が家事や育児をしなければならない理由もありません。
もちろん、子どもが生まれたばかりのときは、授乳が必要になるので、女性の育児に対する役割は大きくなると言えますが、それ以降の子育てについては、男女のどちらが優れているといった違いはないはずです。女性でも家事や育児が苦手で、外で働くほうが合っているという人もいますし、男性でも、外で働くより家で家事や育児をしたいという人もいるでしょう。
つまりジェンダーとは、個人の向き不向き(好き嫌い)に関係なく、男はこうで女はこうという社会的な決めつけによって生み出されたものでもあると言えます。