トランスジェンダーを受け入れる女子大が増加

トランスジェンダーを受け入れる女子大

お茶の水女子大は2018年7月、2020年度からトランスジェンダーの学生を受け入れることを発表しました。
学長はこの受け入れを「多様性を包摂する女子大学と社会」の創出にむけた取組としています。
背景としては性のあり方が多様化していることや、戸籍上の性別だけではなく自認する性別としての女性にも門戸を広げることで、多様な女性が個性と能力を発揮し社会で活躍してほしいという願いがあるようです。
米国では、2014年以降複数の主要な女子大でトランスジェンダーの受け入れが進んでおり、こういった動きも影響したと考えられます。
また、日本ではお茶の水女子大に続き奈良女子大でも2020年度から、宮城学院女子大で2021年度からトランスジェンダーの学生を受け入れることを決定しました。
このような動きは社会でも概ね評価されており、今後の導入を検討している女子大もあります。
ただ、導入にあたっては課題もあります。最も切実なのはトイレの問題です。
女子大が受け入れるトランスジェンダーとして想定される、自認している性が女性で戸籍上の性別が男性の人は、トイレを利用する際女子トイレを利用していいか悩むことがあります。
また、自認している性を周りの人に知らせる「カミングアウト」を実施するかについても本人にとっては大きな問題です。
こういった課題に対し、お茶の水女子大などトランスジェンダー受け入れを表明している女子大はガイドラインを設けています。対策としては、トイレの問題では性別に関係なく利用できる「だれでもトイレ」を設置し、カミングアウトについては基本的には本人に任せた上で、必要に応じて相談できる体制を整えるなどの対応を取っています。
他にもトランスジェンダーが学生生活を送る上で生じる課題について、ガイドラインや相談窓口などで対応しています。

まとめ

トランスジェンダーを学生として受け入れる女子大が増えることで、これまで性自認や周囲からの差別や偏見に苦しめられてきたトランスジェンダーにとっては学びの選択肢が増え、社会で活躍する可能性が広がるでしょう。
これをきっかけとして、性の多様性が受け入れられ、トランスジェンダーを含む性的少数者が様々な場面で活躍できる明るい未来を期待しましょう。