トランスジェンダーの方々の苦悩

トランスジェンダーとは

一般的にトランスジェンダーとは、心と性別が一致しない方々を称して使われています。
「一般的には」とあえて前提を付ける理由として、性別と体、そして心の問題は多岐に渡っており、一言で説明することができない複雑な面があるためです。
明確なカテゴリー化は、時にある人達は傷つけてしまうため、慎重に言葉を選ぶ必要があるのです。
 多くのトランスジェンダーの方々は、男性として、あるいは女性としての体を持って生まれたにも関わらず、その体を受け入れることができない、と感じています。
体は男性であるのに自分は女性であると感じ、体は女性であるのに、自分は男性であると感じます。
一般的には、「体と心が一致しない」という言葉で、この感情が表現されます。

トランスジェンダーが感じる問題とは

 人は人を外見で判断するものです。
体が男の赤ちゃんが生まれれば、両親はその子を男の子して扱いますし、体が女の赤ちゃんが生まれれば、女の子として扱います。
ジェンダーフリーの思想に基づき、子ども趣味や服装を性別によって判断せずに育てる親もいないわけではありませんが、非常に限定的であるのが現実でしょう。
そのため、トランジェンダーの方々は、家族をはじめとする周囲の人間がどうして自分の本質を見てくれないのか、と苦悩することになります。
しかし、成長するに従って世の中の空気に合わせる事を学んでしまいますから、周囲の期待に応え、自分の心に嘘をついて、体のままの性別の人間としてふるまい続けるしかないのです。
 LGBT、トランスジェンダーという言葉が世間で認知されてきた現代においても、トランスジェンダーの方々が胸の内で感じている違和感、孤独感は、癒されているわけではありません。
一つの解決策として、ホルモン治療、そして性適合手術があります。
しかし、それをすればすべてが解決するというわけでもありません。
ホルモン治療も、性適合s術も非常に高額なものであり、しかもほんの数年まえまでは、保険外の治療でした。
そのためタイなど、他国に渡航して手術を受ける方々もいました。
しかし、言葉の問題、環境の違いなどで、術後の体の不調、金銭的なトラブルなども発生することがありました。
 さらには性適合手術をすれば万事OKかと言えば、そうでもありません。
手術後のアフターケアには長い期間を要し、痛みを感じつつ生活することになります。
 衝撃的な統計として、性適合手術をした後、自殺をする方々はかなり多いとされています。
それは手術を受けたとしても、体の性別は完全に変わるわけではなく、どこかが不完全な、作り物のようなものになってしまうため、男になりたい、女になりたい、という願いが完全にかなうわけではないからです。

救いの道はどこに

 では、トランスジャンダーの方々は、どのようにして違和感や孤独感から解放されることができるのでしょうか。
そして社会の中で受け入れられ、安心して生きることができるのでしょうか。
 その解決は、すべての人が根本的に持っている問題に目を向けなければなりません。
人はどうしても見た目で人を判断します。
それは性別、性的指向に関係なく同じです。
その人の心が何を感じているか、何を喜んでいるか、何を悲しんでいるかを考えることなく、一方的に人を判断してしまうのです。
 もし、トランジェンダーの方々が、生まれた時からありのままの自分をさらけ出し、ありのままの自分を受け入れてもらう中で育てられたとしたら、どうでしょう。
体がどうであれ、心がどうであれ、ありのままを受け入れてもらい続けるならば、自分の体にどこか違和感を抱えていたとしても、孤独に陥っていくことはないはずです。
 どんな子であっても受け入れてくれる両親、そして社会。それがトランジェンダーの方々にとって、いえ、すべての人にとって必要なものなのではないでしょうか。