トランスジェンダーの男性が女性ホルモン投与を受ける

はじめに

トランスジェンダーの男性が女性のような体つきに近づくための治療方法に、女性ホルモン投与があります。
男性の体で過ごしていたときには女性ホルモンよりも男性ホルモンの方が優位だったため、女性ホルモンの影響による体の変化は見られませんでした。
しかし、女性ホルモンを投与するとこれまでになかった変化が表れてきます。

では、どのような変化があるのでしょうか。

女性ホルモンの投与とは

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあります。
エストロゲンは肌を美しく保つ、骨粗しょう症を防ぐなどの働きがあり、プロゲステロンには妊娠をするための準備を整える働きがあります。
ホルモン投与では主にエストロゲンを投与していきますが、それだけだとホルモンバランスが崩れて副作用が伴うことが多いので、プロゲステロンも併用していきます。
どのような組み合わせで投与していくかは、その方の体質や年齢などによります。

投与方法には、エストロゲン製剤の飲み薬、皮膚に貼って使うパッチ剤、化粧品のように塗るゲル剤などがあり、使いやすいものを選んでいきます。
女性で生理不順や生理痛がひどい人に対してピルが処方されることがあります。
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが含まれています。
しかし、ピル剤にはホルモン補充療法で使用されるものよりも4倍以上のエストロゲンが含まれています。
そのため、長期間ピルを使用し続けると血栓症や乳がんなどのリスクを高めてしまいます。

乳がんは女性に多い病気ですが、男性でも乳がんになることはあります。