【LGBT/トランスジェンダー】女性から男性へ

【手術・戸籍変更】女性から男性に

精神科の領域での治療診察の中で、「性同一性障害」と診断されてから、身体的な治療に進みます。
ここでは身体的性別が女性が男性に移行し、戸籍変更までの大まかな流れを紹介します。
1.男性ホルモン(アンドロゲン製剤)の投与を開始する
2.乳房の切除手術
3.内性器の切除と外性器の形成等の「性適合手術」
4.家庭裁判所に戸籍の性別の取り扱い変更についての申立書を出す
5.受理されたら変更完了
いずれの過程も、かなりのリスクや負担が当事者にのし掛かります。
まず1つ目に、健康保険が適用される「治療」ではなく、カウンセリングから手術まで実費であり、ホルモン剤については一生投与が必要になるため、金銭的な負担が多いこと。
2つ目にホルモン剤の投与には、男性特有の成人病リスクが高まること。
(血中のコレステロール値の上昇、血栓症、高血圧の他、女性ホルモンが減るために骨粗しょう症になりやすくなる等)
3つ目に戸籍変更の申立書に添付する必要書類が多く、診断書などの準備も必要なため、ここでも金銭的な負担が出てくる
現在の日本のガイドライン上、戸籍変更はホルモン投与や「性適合手術」等で生まれ持った身体の性別の「生殖腺がないこと」または「生殖腺の機能を永久的に」欠いている状態であることを条件に1つにしているため、上記の手順やリスクを飲まざるを得ません。
ですが、冷静に考えて欲しいと当事者の1人である私は思います。
術後に不調に悩むケースが少なくないため、戸籍変更が目的になってしまった方で重篤な排尿障害になってしまったり、後悔し自殺された方もいるのです。

【最後に】

様々な悩みと大きなリスクが伴う性別移行。
時間や仕事・収入、心のゆとりを多く必要とされるため、勢いで選択してしまわないように今一度、冷静に考えてみて欲しいと思います。
自分自身がどう生きるのが幸せなのか、どう生きたいのかを考えた時に「性別違和」が大きな壁になるのであれば、信頼できるドクターの元で相談し選択すれば良いのです。
焦らずにより良く、自分らしく生きれることを模索し続けるのは男も女も、皆同じなのですから。