トランスジェンダーとは?~多様な性の在り方を考える~

LGBTのT
近年では性的少数者(セクシャルマイノリティ)という概念も定着してきており、LGBTという言
葉もなんとなく知っている、という人は多いのではないでしょうか。
しかし、この言葉の正しい意味を理解している人はどれくらいいるでしょうか。
LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとったものです。それくらいなら知っているよ、という方も多いでしょう。
では、こう言いかえればいかがでしょうか。LGBT、とくにTについて、理解しているという方であればすぐに理解ができると思います。
性別は少なくとも12種類ある、と。
LGBとT
レズビアン、ゲイ、バイセクシャルとトランスジェンダーは大きく異なります。
レズビアンは女性の同性愛者、ゲイは男性の同性愛者、バイセクシャルは男性・女性どちらでも性的対象とみなすことができる人です。
つまりLGBとはあくまで性的対象、恋愛対象の性別がいずれか、というカテゴリ分けといえます。
一方、トランスジェンダーとは、自身の身体的性別と性自認が異なる人のことを言います。
いわゆるオネエ系と呼ばれる人々は、身体的には男性、性自認は女性の方々のことです。
なかには性転換手術を受けて身体的性別と性自認を統一しようとする方もいます。
ではここで質問があります。
先ほどのオネエ系の方ですが、彼女は身体こそ男性ですが、心は生まれてからずっと、男性であったことはありません。
彼女が男性を愛する場合、彼女はゲイでしょうか?
性別の在り方を考え直すきっかけを作ったT
人間は性別を「男」と「女」のみで分け、長く暮らしてきました。
それが、トランスジェンダーの方々の活躍により、身体的性別と精神的性別があることがわかりました。
と同時に、人々がそれまで単に「男」「女」と言ったときに表現されるのがどういった人物なのかが詳細になりました。
つまり「男」とは、「身体的に男性であり、精神的に男性であり、女を恋愛対象にする人」、「女」とは「身体的に女であり、精神的に女であり、男を恋愛対象とする人」のことを無意識に表していたのです。
トランスジェンダーの方々のことを考えるなら、性別は「身体的性別(男女)」×「精神的性別(男女)」×「恋愛対象(男女・不問)」で、12通りはあることになります。
実際に、身体的には男性、精神的には女性のトランスジェンダーのレズビアンという方もいます。
※尚、生まれつき両性の身体的特徴を有する方、あるいは性的特徴を有しない方、精神的に男女いずれにも属さない方、恋愛対象を必要としない方など、LGBTよりさらに多様の性の在り方があります。
そのため「少なくとも」12通りとさせていただきました。
いまだに直面する困難
トランスジェンダーについては、ドラマで取り上げられたり、タレントの活躍により、世間的には認知はかなり広がってきたといえます。
ですが一方で、日常生活では数々の困難に直面されています。
トイレや更衣室の多くは男女で仕切られています。
公的な証明書には性別が記載されるものも多くあります。
いくら本人が性自認が異なると訴えても、戸籍上の性別を変えるには性転換手術を受ける必要があります。
性転換手術は生殖能力を失うのはもちろんですが、それ自体が危険な手術であり、術後もホルモンバランスが乱れるなどリスクがあまりに大きく、簡単には受けられるものではありません。
そのため多くのトランスジェンダーの人々は自身の認識とは異なる性別で暮らすことを余儀なくされ、手術を無事に受けたという人も術後の後遺症などに苦しみながら生活しているのです。
彼らは身体の在り方と心の在り方の狭間で戦いながら暮らしています。
そんな試練を与えられなかった多くの方々は、せめて彼らにとって少しでも暮らしやすい世界になるよう、サポートしていけたらいいですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません