「トランスジェンダー男性」とは、どんな人のことなのか

トランスジェンダー男性と聞いてイメージするもの

「トランスジェンダー男性」と聞くと、見た目が男性のでトランスジェンダーの人をイメージする人が多いかもしれません。
もちろんそういう人もいますが、心と身体の性別が違うトランスジェンダーの場合は事情が少し複雑なので、見た目が男性とは限りません。
そこでここでは、トランスジェンダーの性別を考える上で重要な、性自認や身体的性などについて紹介しつつ、トランスジェンダー男性とは何かを説明します。

性自認と身体的性は別物

そもそも「トランスジェンダー」とは、心の中で自分が思っている性別である「性自認」と、生物学的に区別される性別である「身体的性」が異なる人のことを指します。
一般的な社会では、男性と女性を区別する場合、見た目を基準にすることが多く、男性らしい体つきや服装をしていれば男性といったように、一目見るだけで男性か女性かを区別することがよくあります。
しかしトランスジェンダーの場合は、心の中で思っている性別と、見た目にも影響する身体的性が異なるという事情があるのです。
この性自認と身体的性が一致している人はシスジェンダーと呼ばれており、その状態が当たり前だと考えている人が多いかもしれません。
しかし、性の多様性を考える上では、性自認と身体的性は別のものと考えることが重要になりますし、心の問題である性自認が最も尊重されます。
そのため、「トランスジェンダー男性」という場合は、性自認が男性のトランスジェンダーと考えるべきであり、身体的性がどうかは関係ないということになるでしょう。
ですので例えば、身体的性が女性でも、性自認が男性であれば、その人のことをトランスジェンダー男性と呼ぶことができるのです。
あるいは、性別適合手術を受けた後であれば、見た目も性自認も男性のトランスジェンダー男性ということになります。