みんなを生きづらくする規範、ジェンダーステレオタイプ

ジェンダーステレオタイプって何のこと?

「男の子なんだから、しっかりしなさい」「やっぱり女の子だから優しいね」などと、人の性格や振る舞いについて性別と結びつけて語られることがあります。
幼稚園や保育園で、男の子の持ち物には青や水色、女の子の持ち物には赤やピンクの印をつけこともあります。
ただ、本当に男の子は強く、女の子は優しくなくてはいけないのでしょうか。
なぜ男の子と女の子の色を2色に分けるのでしょうか。
このように、性別に関して人々が持っている先入観や固定観念、類型的な考え方のことをジェンダーステレオタイプといいます。

男も女も、LGBTも生きづらくなるジェンダーステレオタイプ

「男はこういうもの」「女はこういうもの」というジェンダーステレオタイプは、本来生物学的に決まっているものではなく、歴史の中で、人々が作り上げてきた社会的通念といえます。
法律や政治、日常の様々な場面の中にこうした通念は根強く入り込んでいて、男性を主として女性がそれに従う家族制度を前提とした法体系などから、親子の何気ない会話の中にまで登場してくるものです。
ジェンダーステレオタイプの問題は、あらゆる人の生きづらさにつながることです。
社会に出てバリバリ働きたい女性にとって、職場は男性たちのもの、管理職に向いているのは男性だという考えはキャリアの大きな妨げになります。
男性で看護の仕事を志す人が、人をケアするのは女性の仕事だという周囲の固定観念に苦しめられることもあります。
また、LGBTの人々にとって、自らの性自認と異なる「男性らしさ」「女性らしさ」を強要されたり、それぞれの性別の類型的なあり方を示されることは苦しいことです。
ジェンダーステレオタイプとは、人の生き方をきゅうくつな類型に押し込めるもので、その類型に収まらなかったり、おさまりたくないすべての人にとっては、生きづらさの元凶ともいえるのです。