日本人のトランスジェンダーについて

トランスジェンダーとは何か

まず、トランスジェンダーとは性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表すLGBTの一分類です。LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の略で、レズビアンは女性の同性愛者、ゲイは男性の同性愛者、バイセクシャルは恋愛対象が男性・女性両方の両性愛者です。
一方、トランスジェンダーは自分の性をどのように認識しているかという性自認において、身体の性は男性でも自認している性(心の性)は女性、または身体の性は女性でも心の性は男性というように、身体の性と心の性が一致しない人々を指します。レズビアン、ゲイ、バイセクシャルはどの性別の人を恋愛対象とするかの性的指向を表すのに対し、トランスジェンダーは性自認を表すというのが特徴的です。
なお、トランスジェンダーは性同一性障害を持つ人と同一と解釈される場合もありますが、性同一性障害はあくまで医療的な治療を要する場合の診断名であり、トランスジェンダーの中には、身体の性と心の性が一致しないことによる葛藤があるものの医療的な治療を要しない場合もあるため、同一とはいえません。

トランスジェンダーと日本人

日本人の中には、トランスジェンダーがどれくらいいるのでしょうか。
これまで、トランスジェンダーを含むLGBTの日本人の割合が調査されてきました。
全国の20歳~59歳を対象に行なわれた調査を以下にいくつか挙げてみます。
平成28年の株式会社LGBT総合研究所による調査では全体の0.47%、同年の日本労働組合総連合会による調査では1.8%がトランスジェンダーとのことです。
また、平成27年に電通ダイバーシティ・ラボが行なった調査では、調査対象の7.6%がトランスジェンダーを含むLGBT層に該当することが分かりました。このように、日本人には一定の割合でトランスジェンダーが存在するといえます。